石垣島は車なしでも無理じゃない!移動手段と楽しみ方を完全解説

「石垣島へ行くけれど、運転免許がない」「ペーパードライバーだから運転が不安…」そんな理由で、旅行計画に悩んでいませんか。車がないと石垣島観光は無理なのではないか、移動が不便で失敗や後悔に繋がるのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、結論から言うと、石垣島は車がなくても十分に楽しむことが可能です。もちろん、車があった方が便利な側面はありますが、事前に移動手段や楽しみ方を知っておけば、車なしならではの魅力的な旅が実現できます。
この記事では、具体的なモデルコースや離島観光のポイントも交えながら、あなたの不安を解消するための情報を網羅的に解説します。
- 車なしでの主な移動手段とそれぞれの特徴
- 車がなくても楽しめる具体的な観光スポット
- 車なし旅行のメリットと知っておくべき注意点
- 具体的なモデルコースとおすすめの楽しみ方
石垣島を車なしで観光!移動手段まとめ

- 主要な交通手段は路線バス
- 観光タクシーを賢く利用する方法
- レンタサイクルで巡るのもおすすめ
- 市街地周辺は徒歩でも観光可能
- 車なし旅行ならではのメリットとは
- 知っておくべきデメリットと注意点
主要な交通手段は路線バス
石垣島で車なし観光をする際の基本となるのが、島内を網羅する路線バスです。地元の「東運輸(あずまうんゆ)株式会社」が運行しており、空港から市街地、そして川平湾をはじめとする主要な観光スポットまでアクセスできます。
結論として、車なしの旅において路線バスを使いこなすことが、行動範囲を広げるための最も重要なポイントになります。
バスを利用する最大の理由は、そのコストパフォーマンスとカバー範囲の広さにあります。レンタカーを借りるよりも費用を大幅に抑えられ、運転の必要がないため、窓からの景色をのんびり楽しむことができるのです。
具体的に、観光客にとって非常に便利なのが「みちくさフリーパス」と呼ばれる乗り放題券です。利用期間や対象路線によって複数の種類があり、ご自身の旅行プランに合わせて選ぶことができます。
みちくさフリーパスの種類と料金(2025年9月時点)
パス名称 | 有効期間 | 料金(大人) | 主な特徴 |
1日フリーパス | 1日間 | 2,000円 | 東運輸の全路線(定期観光バス等を除く)が乗り放題 |
5日間フリーパス | 5日間 | 3,000円 | 長期滞在者向け。1日あたりのコストが非常にお得 |
空港線片道付パス | 1日または5日 | 2,300円から | 空港線片道乗車券と各フリーパスがセットになったもの |
これらのパスを利用すれば、乗車のたびに運賃を支払う手間が省け、結果的に交通費を節約できるケースが多くなります。ただし、注意点として、都心部のように数分おきにバスが来るわけではありません。

路線によっては1~2時間に1本という場合もあるため、事前に公式サイトで時刻表をしっかりと確認し、時間に余裕を持った計画を立てることが大切です。
観光タクシーを賢く利用する方法
路線バスの時間を気にせず、よりプライベートな空間で効率的に観光したい場合には、観光タクシーが非常に有効な選択肢となります。特に、小さなお子様連れやご年配の方がいる旅行、あるいはバスではアクセスしにくい場所へ行きたい場合にその真価を発揮します。
観光タクシーは、自分たちの行きたい場所や滞在時間を自由に組み合わせられるオーダーメイドのツアーを組めるのが最大の魅力です。
その理由は、単なる移動手段としてだけでなく、経験豊富なドライバーがガイド役も兼ねてくれる点にあります。ガイドブックには載っていないような地元ならではの情報や、おすすめの写真撮影スポットなどを教えてもらえることも少なくありません。
例えば、「3時間で川平湾と米原のヤエヤマヤシ群落を巡りたい」といった具体的なリクエストに応えてもらえます。料金は時間貸切制が一般的で、小型タクシーの場合、3時間で12,000円前後が相場です。
一見すると高額に感じるかもしれませんが、4人で利用すれば1人あたり3,000円となり、路線バスを乗り継ぐ手間や時間を考えれば、十分に価値のある投資と考えられるでしょう。
ただし、繁忙期は予約が埋まりやすいため、利用を決めているのであれば、旅行前にタクシー会社のウェブサイトなどから予約しておくことをお勧めします。
レンタサイクルで巡るのもおすすめ
市街地周辺や、フェリーで渡った先の離島での散策には、レンタサイクルが機動力を発揮します。自分のペースで気ままに動き回りたい、細い路地裏の雰囲気も楽しみたいという方には最適な移動手段です。
小回りが利き、風を感じながら移動できるレンタサイクルは、石垣島ののどかな風景を肌で感じるのにうってつけです。
バスやタクシーでは見過ごしてしまうような小さな発見があったり、気に入った場所で気軽に立ち止まれたりするのが、レンタサイクルの大きなメリットです。
特に、道が平坦で観光スポットがコンパクトにまとまっている竹富島では、ほとんどの観光客がレンタサイクルを利用して島内を巡ります。
石垣島の市街地、特に離島ターミナルやユーグレナモール周辺には、多くのレンタルショップが存在します。料金は、普通の自転車であれば1日数時間で500円~1,000円程度、坂道でも楽に走れる電動アシスト自転車は1,500円~2,500円程度が目安です。
もちろん、デメリットも存在します。夏の強い日差しや突然のスコールなど、天候の影響を直接受ける点は覚悟しておかなければなりません。
また、島全体を自転車で巡るのは体力的に厳しいため、あくまでも行動範囲を市街地や特定のエリアに絞った場合の選択肢と考えるのが賢明です。
市街地周辺は徒歩でも観光可能
石垣島の中心市街地は、実は非常にコンパクトにまとまっており、主要なスポットの多くは徒歩で十分に巡ることが可能です。ホテルを市街地にとれば、移動手段を気にすることなく、気軽に街歩きを楽しめます。
ユーグレナモールや公設市場、離島ターミナルといった拠点は、徒歩圏内に集中しているため、最も手軽な移動手段は「歩くこと」と言えます。
これらのエリアには、お土産物店や飲食店、泡盛の酒造所などが密集しており、ぶらぶらと散策するだけでも石垣島の活気を感じることができます。
例えば、離島ターミナルからユーグレナモールまでは歩いて10分もかかりません。その道中にも魅力的な個人商店やカフェが点在しています。
徒歩での観光は、交通費がかからないという経済的なメリットはもちろん、自分のペースで気になるお店にふらりと立ち寄れる自由度の高さが魅力です。
ただし、特に夏場の日中は日差しが非常に強く、熱中症のリスクも高まります。帽子や日傘、こまめな水分補給といった対策は必須です。

長距離を歩くのではなく、あくまで市街地散策の基本手段として捉え、少し離れた場所へはバスやタクシーを組み合わせるのが上手な旅のスタイルです。
車なし旅行ならではのメリットとは
「車がないと不便」というイメージが先行しがちですが、実は車がないからこそ得られるメリットも数多く存在します。視点を変えることで、より深く、ゆったりとした石垣島旅行を体験できる可能性があります。
運転から解放されることで得られる精神的な余裕と、交通費を抑えられる経済性が、車なし旅行の大きなメリットです。
まず、最大の利点は、旅の参加者全員が運転のプレッシャーから解放されることです。慣れない道での運転や駐車場探しといったストレスがなく、移動中は車窓の景色に集中したり、同行者との会話を楽しんだりできます。
そして何より、オリオンビールや泡盛といった地酒を、時間を気にせず楽しめるのは、お酒好きにとっては見逃せないポイントでしょう。
また、経済的な観点から見ても、レンタカー代、ガソリン代、保険料などが一切かからないため、旅行費用を大きく節約できます。浮いた予算を、少し豪華な食事やアクティビティ、お土産代に充てることで、旅の満足度をさらに高めることが可能です。
路線バスの時間を待ったり、地元の人と同じバスに乗り合わせたりする体験も、車での旅行では味わえない、旅の味わい深い一面となるかもしれません。
知っておくべきデメリットと注意点
車なし旅行のメリットを享受するためには、その一方で存在するデメリットと注意点を事前にしっかりと理解し、対策を立てておくことが不可欠です。計画不足は、時間のロスやストレスに直結しかねません。
車なし旅行のデメリットは、主に「時間の制約」と「移動の柔軟性の低さ」に集約されます。
最も注意すべきは、路線バスの運行本数です。前述の通り、市街地を離れる路線や観光地へ向かう路線は、1時間に1本程度が基本で、夕方には最終バスの時間が早まることも少なくありません。
乗り遅れてしまうと、次のバスまで長時間待つことになったり、最悪の場合、その日のうちに目的地から戻れなくなったりする可能性も考えられます。
また、バス停が観光スポットの入口から少し離れているケースもあり、炎天下の中を歩く必要があることも想定しておきましょう。雨や風が強い悪天候の際には、屋根のないバス停で待つのが辛かったり、移動そのものが大変になったりするのも事実です。
これらのデメリットへの対策として、以下の3点が挙げられます。
- 時刻表の徹底的な事前確認: 行きと帰りのバスの時間を必ずセットで確認し、複数のプランを考えておく。
- タクシーの併用: バスの時間が合わない場合や、疲れた時には、ためらわずにタクシーを利用する柔軟性を持つ。
- 拠点の立地選び: 宿泊するホテルは、バスの発着拠点であるバスターミナルや、離島観光の拠点となる離島ターミナルに近い場所を選ぶと、格段に移動が楽になります。
石垣島車なし観光を成功させるプラン

- 車がなくても行ける観光スポット5選
- エリアを絞った楽しみ方を提案
- おすすめの1泊2日モデルコース
- 離島ツアーに参加するのも一つの手
- 【まとめ】石垣島の車なし旅行は計画が鍵
車がなくても行ける観光スポット5選
「車がないと、どうせ有名な場所には行けないのでは?」と心配する必要はありません。石垣島の主要な観光名所の多くは、路線バスやフェリーといった公共交通機関を利用して十分にアクセス可能です。ここでは、その代表的なスポットを5つ紹介します。
1. 川平湾(かびらわん)
石垣島を代表する絶景スポットであり、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三つ星を獲得したことでも有名です。路線バスの「川平リゾート線」を利用すれば、バスターミナルから約40分で到着します。
太陽の光によって刻一刻と色を変える海面は、いつまで見ていても飽きることがありません。湾内は潮流が速いため遊泳は禁止されていますが、船底がガラスになったグラスボートに乗れば、色鮮やかなサンゴ礁や熱帯魚を手軽に観察できます。
2. ユーグレナモール
日本最南端のアーケード商店街で、市街地の中心に位置します。バスターミナルや離島ターミナルからも徒歩圏内なので、車なし観光では必ず訪れることになるでしょう。
約100店舗以上のお土産物店や飲食店が軒を連ね、天候を気にせずショッピングやグルメを楽しめます。石垣島の特産品や民芸品を探したり、地元の食材を使った料理を味わったりと、滞在中の拠点として非常に便利です。
3. 竹富島
石垣島の離島ターミナルから高速船でわずか10~15分。赤瓦の古民家と白砂の道という、沖縄の原風景が今なお残る美しい島です。
島内の移動はレンタサイクルが基本で、自分のペースで水牛車観光の乗り場や、星の砂で有名な「カイジ浜」、エメラルドグリーンの海が美しい「コンドイ浜」などを巡ることができます。日帰りでも十分に満喫できる、車なし観光にぴったりのスポットです。
4. 石垣やいま村
八重山の古き良き家並みを再現した、野外博物館のようなテーマパークです。名蔵湾を一望する丘の上にあり、路線バス「名蔵線」または「川平リゾート線」でアクセス可能です。「名蔵」バス停で下車し、徒歩約1分です。
園内では、国の登録有形文化財に指定された赤瓦の古民家を見学できるほか、リスザルの餌やり体験や琉球衣装の着付け体験など、様々なアクティビティが楽しめます。
5. 玉取崎展望台
島の東海岸に位置し、太平洋と東シナ海を一度に見渡せる絶景スポットとして知られています。ハイビスカスが咲き誇る遊歩道を抜けた先にある展望台からの眺めは格別です。
空港から市街地へ向かう「空港線」や「東回一周線」のバスを利用し、「玉取崎」バス停で下車すれば、徒歩約5分で到着します。バスの本数は限られるため、事前の時刻表確認は必須ですが、訪れる価値のある場所です。
エリアを絞った楽しみ方を提案
車なしでの旅行では、島全体をくまなく巡ろうとすると、どうしても移動時間が多くなり、一つ一つの場所をじっくり楽しむことが難しくなります。そこでおすすめしたいのが、滞在するエリアを限定し、その周辺を深く楽しむというアプローチです。
滞在の拠点を定め、そのエリア内で過ごす時間を増やすことで、移動のストレスを減らし、旅の満足度を高めることができます。
例えば、以下のようなエリア別の楽しみ方が考えられます。
市街地・離島ターミナル周辺を拠点にするプラン
最も利便性が高く、車なし初心者におすすめのプランです。このエリアにホテルを取れば、食事や買い物に困ることはありません。
日中は離島ターミナルから竹富島や西表島へ渡ってアクティブに過ごし、夕方からは市街地でグルメやショッピングを満喫するという、メリハリのある過ごし方が可能です。
バスターミナルも近いため、1日だけバスで川平湾へ足を延ばすといったアレンジも容易です。
川平エリアを拠点にするプラン
石垣島随一の景勝地である川平湾の近くに滞在し、のんびりとした時間を過ごしたい方向けのプランです。
市街地の喧騒から離れ、美しい自然の中でリラックスできます。川平湾周辺にはお洒落なカフェやレストランも点在しており、バスや徒歩、レンタサイクルで周辺のビーチ(米原ビーチなど)を巡るのも良いでしょう。
ただし、市街地へのアクセスにはバスで40分ほどかかるため、利便性よりも静かな環境を重視する方向けと言えます。
このように、自分が旅に何を求めるかを考え、それに合ったエリアを拠点にすることで、車がなくても密度の濃い時間を過ごせるようになります。
おすすめの1泊2日モデルコース
ここでは、初めて石垣島を車なしで訪れる方を想定した、定番スポットを効率よく巡る1泊2日のモデルコースを提案します。移動は主にバスとフェリー、徒歩を利用します。
このモデルコースを参考にすることで、車なしでもどれだけ充実した観光が可能か、具体的にイメージできるはずです。
1日目:石垣島の玄関口と離島の原風景を満喫
- 午前: 石垣空港に到着後、路線バスで市街地のバスターミナルへ(約30分)。ターミナル近くのホテルに荷物を預けます。
- 昼: 身軽になったら、徒歩で離島ターミナルへ移動。ここから高速船に乗り、竹富島へ渡ります(約15分)。
- 午後: 竹富港で自転車をレンタル。まずは水牛車に揺られて集落を散策します。その後は自転車でコンドイ浜やカイジ浜(星砂の浜)を巡り、島ののどかな雰囲気を満喫します。
- 夕方: 高速船で石垣島へ戻ります。ホテルにチェックインした後、ユーグレナモールやその周辺を散策しながら夕食のお店を探します。地元の居酒屋で八重山料理に舌鼓を打つのもおすすめです。
2日目:島の絶景と文化に触れる
- 午前: バスターミナルから「川平リゾート線」のバスに乗車し、川平湾へ(約40分)。エメラルドグリーンの海の絶景を堪能し、グラスボートで海中散歩を楽しみます。
- 昼: 川平湾周辺のカフェや食堂でランチ。八重山そばなどが味わえます。
- 午後: 再びバスに乗り、バスターミナルへ戻ります。時間に余裕があれば、公設市場でお土産を追加で購入。その後、ホテルで荷物を受け取り、路線バスで石垣空港へ向かいます。
このコースはあくまで一例です。ご自身の興味や体力に合わせて、訪れる場所を入れ替えたり、タクシーを部分的に利用したりと、自由にアレンジしてみてください。
離島ツアーに参加するのも一つの手
石垣島を訪れる魅力の一つは、八重山諸島のハブとして、個性豊かな周辺の離島へ気軽にアクセスできる点にあります。
しかし、個人で複数の離島を巡るとなると、フェリーの時刻調整や島内での交通手段の手配など、なかなか大変です。
そこで、特に複数の離島を効率よく巡りたい場合、オプショナルツアーに参加するのが最も賢明で簡単な方法となります。
ツアーを利用する最大の理由は、その効率性と手間の削減にあります。石垣島と各離島を結ぶフェリーの往復乗船券、島内の観光バス、昼食、水牛車乗車券などが全てセットになっているため、個人で一つ一つ予約・購入する手間が一切かかりません。
例えば、「西表島・由布島・竹富島 3島周遊ツアー」は非常に人気があり、マングローブクルーズや由布島の水牛車、竹富島の集落散策といったハイライトを1日で体験できます。ホテルや港への送迎が付いているツアーも多く、まさに至れり尽くせりです。
料金はツアー内容によって様々ですが、1日ツアーで1人あたり15,000円~20,000円程度が相場です。
一見高く感じるかもしれませんが、個人で全てを手配した場合の合計金額や手間を考えると、コストパフォーマンスは決して悪くありません。特に時間に限りのある旅行者にとっては、これ以上ないほど効率的な選択肢と言えるでしょう。
【まとめ】石垣島の車なし旅行は計画が鍵
この記事で解説してきたポイントや結論を、箇条書きでまとめます。
- 石垣島観光は車がなくても計画次第で十分に楽しめる
- 主な移動手段は路線バス・観光タクシー・レンタサイクル・徒歩
- 路線バスは「東運輸」が運行し「みちくさフリーパス」がお得
- 時間を有効活用したいなら貸切の観光タクシーが便利
- 市街地周辺の散策はレンタサイクルや徒歩で十分満喫できる
- 車なし旅行は運転の負担がなくお酒も楽しめるのがメリット
- 一方でバスの本数が少ないなどのデメリットも存在する
- 旅行前にはバスの時刻表をウェブサイトで必ず確認する
- ホテルはバスターミナルや離島ターミナル周辺の立地がおすすめ
- 川平湾や竹富島など主要観光スポットは公共交通で行ける
- 広い島内を欲張らず滞在エリアを絞ると効率的に観光できる
- 複数の離島巡りは個人手配よりオプショナルツアーが簡単で効率的
- 天候に左右されやすいため雨天時のプランも考えておくと安心
- 大きな荷物はホテルの預かりサービスやコインロッカーを活用する
- 事前の情報収集と無理のない計画が車なし旅行成功の鍵となる