波照間島星空観測タワーは現在休館中?再開時期や周辺の星空スポットを解説
日本最南端の有人島である波照間島は、手が届きそうなほどの満天の星が見られる場所として有名ですね。そのシンボル的な存在である「波照間島星空観測タワー」で、南十字星や天の川を眺めたいと計画を立てている方も多いのではないでしょうか。
しかし、現在どのような状況なのか、リニューアル工事は進んでいるのか、現地までのアクセスや料金はどうなっているのかなど、気になる情報がたくさんあるはずです。
この記事では、タワーの最新状況や今後の見通し、そしてタワーに入館できなくても波照間島の星空を存分に楽しむためのポイントについて詳しく解説していきます。
- 現在の波照間島星空観測タワーの休館状況と理由
- 施設の建て替え計画や再開時期に関する見通し
- タワー周辺で南十字星などの星空を楽しむ方法
- 波照間島での天体観測に必要な準備とマナー
波照間島星空観測タワーの現在と休館情報

- 現在は老朽化のため休館中
- 施設の建て替えやリニューアル計画
- 再開時期に関する最新情報
- 過去の入館料金と営業時間
- 波照間港からのアクセス方法
- 昼間の外観見学は可能か
現在は老朽化のため休館中
波照間島を訪れる多くの人が楽しみにしている星空観測タワーですが、残念ながら現在は休館中となっています。
主な理由は施設の老朽化です。1994年の開館以来、長年にわたり多くの観光客に愛されてきましたが、海のそばという立地もあり、潮風による塩害などの影響を強く受けていました。
建物の安全性を確保し、訪れる人々により良い環境で星空を楽しんでもらうためには、大規模な修繕や建て替えが必要と判断されたようです。
そのため、現在は館内への立ち入りはもちろん、以前のように屋上で星空を見上げたり、望遠鏡で天体観測をしたりすることはできません。
現地に行っても、門が閉ざされており、中には入れない状態が続いています。旅行のスケジュールを組む際には、タワーが営業していないことを前提にプランを立てる必要があるでしょう。
施設の建て替えやリニューアル計画
休館となると、気になるのが今後のことです。このまま無くなってしまうのかと心配になる方もいるかもしれませんが、建て替えやリニューアルに向けた計画が進められています。
竹富町の発表や関連情報によると、現在の場所での改修だけでなく、より星空観測に適した場所への移転なども含めて検討されているようです。
新しい施設では、最新のプラネタリウム設備や、より高性能な望遠鏡の導入なども期待されており、完成すればこれまで以上に素晴らしい星空体験ができる場所になるでしょう。
また、単なる観測施設としてだけでなく、昼間も楽しめるような展示スペースや、島の自然について学べる機能なども盛り込まれる可能性があります。
具体的な設計や詳細なプランについては、今後の公式発表を待つ必要がありますが、パワーアップして帰ってくることを楽しみに待ちたいですね。
再開時期に関する最新情報
では、具体的にいつ頃再開するのでしょうか。現時点では、明確な再開時期についての公式なアナウンスはなされていません。施設の解体や設計、建設工事には相応の時間がかかるため、数ヶ月単位ではなく、年単位での時間がかかると予想されます。
一部の報道や資料では、数年先の計画として言及されることもありますが、工事の進捗や予算の状況によってスケジュールは変動するものです。そのため、2025年中に再開する可能性は低いと考えられます。
旅行を計画している方は、竹富町の公式サイトや観光協会の情報をこまめにチェックすることをおすすめします。再開が決まれば大きなニュースになるはずですので、それまでは「今は充電期間中」と捉えておくのが良いでしょう。
過去の入館料金と営業時間
将来的に再開した際の参考として、また以前の様子を知るために、休館前の料金や営業時間についても振り返っておきましょう。かつて営業していた頃の情報は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入館料(昼間) | 大人 400円 / 小人 200円 |
| 入館料(夜間) | 大人 500円 / 小人 300円 |
| 営業時間(昼) | 10:00~12:00 / 13:00~17:00 |
| 営業時間(夜) | 20:00~22:00(季節変動あり) |
| 定休日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始など |
夜間の入館料が少し高くなっていたのは、職員の方による星空ガイドや望遠鏡での案内があったためです。また、季節によっては南十字星が見えやすい時間帯に合わせて営業時間が調整されることもありました。
新しい施設になった場合、設備が充実することで料金体系が変わる可能性も十分に考えられます。最新施設に見合った価格設定になるかもしれませんが、それだけの価値がある体験を提供してくれることでしょう。
波照間港からのアクセス方法
タワー自体は休館中ですが、その周辺は依然として島内屈指の星空スポットであることに変わりはありません。場所を確認しておきたい方のために、アクセス方法についても触れておきます。波照間島星空観測タワーは、島の南東の端、崖の上に位置しています。
高速船が到着する波照間港からは、島の反対側に位置するため、距離があります。
- レンタカー・レンタルバイク: 港から約15分〜20分程度。島内は起伏があるため、移動には車やバイクが便利です。
- レンタサイクル: 電動アシスト付きであれば約30分〜40分。夏場の日中は日差しが強いため、体力に自信がある方向けです。
- 徒歩: 1時間以上かかるため、あまり現実的ではありません。
夜間は街灯がほとんどなく、道が非常に暗くなるため、初めて行く場合は昼間のうちに下見をしておくのが安全です。特に自転車やバイクの場合は、転倒などに十分注意しましょう。
昼間の外観見学は可能か
「中に入れなくても、せめて建物だけでも見たい」という方もいるかもしれません。現在のところ、敷地の外から建物の外観を眺めることは可能です。独特なドーム型の屋根を持つ白い建物は、青い空と海を背景にとても写真映えします。
また、タワーの周辺には「日本最南端の碑」や「星のかけらの塔」といったモニュメントがあり、これらは現在も見学することができます。断崖絶壁から見下ろすコバルトブルーの海は圧巻で、昼間の観光スポットとしても非常に人気があります。
タワーの中には入れませんが、最南端の碑で記念撮影をして、その足でタワーの外観を眺めるというコースは、波照間島観光の定番ルートとして今も健在です。ただし、敷地内への立ち入り禁止区域には絶対に入らないよう、現地の看板や指示に従ってください。
波照間島星空観測タワー周辺で星を見る方法

- 南十字星が観測できる時期と時間
- 天気や月齢を確認する重要性
- おすすめの観測時間帯と方角
- 星空ガイドツアーへの参加
- 観測に必要な持ち物と服装
- 撮影のマナーと注意点
南十字星が観測できる時期と時間
波照間島に行く最大の目的が「南十字星を見ること」という方も多いでしょう。日本国内では見られる場所が限られている南十字星ですが、ここ波照間島では好条件で観測することができます。ただし、一年中いつでも見られるわけではありません。
観測に適しているのは、12月下旬から6月中旬頃までとされています。それぞれの時期によって、見えやすい時間帯が異なります。
- 1月〜2月: 明け方近く(早起きが必要です)
- 3月〜4月: 深夜の時間帯
- 5月〜6月: 日没後の早い時間帯(20時〜22時頃)
特に5月から6月にかけては、夕食後のちょうど良い時間帯に見ることができるため、観光客には人気のシーズンとなっています。南十字星は水平線ギリギリに姿を現すため、南の方角に雲がないことが絶対条件です。
また、4つの星のうち一番下の星は特に低い位置にあるため、空気の澄んだ条件の良い日にしか見えないこともあります。見られたらラッキー、くらいの気持ちで挑むのが良いかもしれませんね。
天気や月齢を確認する重要性
美しい星空に出会えるかどうかは、天気と「月明かり」に大きく左右されます。まず天気ですが、当然ながら曇りや雨では星は見えません。島の天気は変わりやすく、予報が晴れでも急に雲が出ることがありますし、逆に曇り予報でも満天の星が見えることもあります。
次に重要なのが「月齢(月の明るさ)」です。満月の夜は月明かりが非常に明るく、空全体が照らされてしまうため、細かい星や天の川は見えにくくなってしまいます。逆に、新月の頃は月明かりがないため、降るような星空や鮮明な天の川を楽しむことができます。
旅行の日程を決める際は、できれば新月の前後(新月を挟んで前後数日間)を狙うのがベストです。もし満月の時期に行く場合は、月が昇る前や沈んだ後の時間帯を狙うことで、暗い空での観測が可能になります。国立天文台のウェブサイトなどで、月の出・月の入りの時刻を事前に調べておくと良いでしょう。
おすすめの観測時間帯と方角
タワーが閉まっていても、島内の暗い場所に行けば素晴らしい星空観測が可能です。おすすめの時間帯は、やはり空が完全に暗くなってからです。日没後、空に赤みが残っている時間(薄明)が終わり、完全に真っ暗になる「天文薄明終了」以降がベストタイムです。
夏場であれば20時半以降、冬場であれば19時半以降が目安となるでしょう。観測する方角については、見たい星座によって異なりますが、南十字星を見るなら真南の方角を注視してください。
波照間島星空観測タワーがある方向が南側になりますので、集落から見てタワーの方角、あるいは「最南端の碑」がある方向を向くと良いでしょう。天の川は、季節によって空を横断するように見えます。
夏は南の空から頭上を通って北の空へと流れる雄大な天の川が見られ、冬は少し淡いですが、オリオン座の近くを通る冬の天の川が見られます。集落の中は街灯があり少し明るいので、少し離れた農道や、タワー周辺の広場など、人工の光が目に入らない場所を選ぶと、目が暗闇に慣れてより多くの星が見えてきます。
星空ガイドツアーへの参加
自分たちだけで星を探すのも楽しいですが、専門家の解説を聞きながら見る星空は格別です。タワーは休館中ですが、島内では民間のガイドさんが主催する「星空ガイドツアー」や「星空撮影ツアー」が行われています。こうしたツアーに参加するメリットはたくさんあります。
- 解説が面白い: レーザーポインターを使って実際の星を指しながら、星座の物語や宇宙の不思議について分かりやすく教えてくれます。
- 安全に移動できる: 夜道の運転が不安な場合でも、送迎付きのツアーなら安心です。
- 写真撮影: 星空をバックに記念撮影をしてくれるツアーもあります。自分では撮るのが難しい星空ポートレートも、プロの手なら綺麗に残せます。
宿で紹介してくれることもありますし、インターネットで事前に予約できるツアーもあります。特に初めて波照間島を訪れる方や、星について詳しくない方は、こうしたツアーを利用することで、より深く星空を楽しむことができるでしょう。
観測に必要な持ち物と服装
快適に星空観測を楽しむためには、事前の準備が欠かせません。まず服装ですが、夏場であっても夜風は意外と冷えることがあります。特に長時間じっとしていると体が冷えてくるため、薄手の長袖や羽織るもの(パーカーやカーディガンなど)が一枚あると安心です。
冬場は北風が強く吹き付けることが多いため、しっかりとした防寒対策(ウインドブレーカーやフリースなど)が必要です。持ち物としておすすめなのは以下のアイテムです。
- 懐中電灯(赤色ライト推奨): 足元を照らすために必要ですが、普通の白い光は明るすぎて、せっかく暗闇に慣れた目が眩んでしまいます。赤いセロハンを貼ったライトや、赤色モードのあるヘッドライトがあると、星見の邪魔になりません。
- レジャーシート: ずっと上を向いていると首が痛くなります。地面に寝転がって空を見上げるのが一番贅沢なスタイルです。
- 虫除けスプレー: 自然の中なので、蚊などの虫がいることがあります。
- 双眼鏡: 本格的な望遠鏡がなくても、双眼鏡があるだけで星の数が数倍に見え、星団や月のクレーターなどのディテールが楽しめます。
撮影のマナーと注意点
美しい星空を写真に収めたいと思う方も多いですが、撮影の際にはマナーを守ることが大切です。最近はスマートフォンでも星空モードなどで綺麗に撮れる機種が増えていますが、基本的には三脚を使ってカメラを固定する必要があります。
- フラッシュは厳禁: 星空撮影をしている人の近くでフラッシュを焚くと、せっかくの写真が台無しになってしまいます。また、暗闇に慣れた人の目にも強い刺激になります。
- ライトの扱いに注意: 懐中電灯やスマホの画面の光も、周囲の人にとっては迷惑になることがあります。必要最低限の明かりにし、人の顔やカメラに向けないようにしましょう。
- 立ち入り禁止場所に入らない: 畑や私有地には絶対に入らないでください。農家の方の大切な土地です。舗装された道路や広場など、決められた場所で楽しみましょう。
- 騒がない: 夜間は静寂を楽しむ時間でもあります。大声で騒いだり、音楽を流したりするのは控え、静かに波の音と星空に耳を傾けてください。
お互いに配慮し合うことで、その場にいる全員が素晴らしい星空体験を共有できるはずです。
波照間島星空観測タワーの再開を待ちながら星空を満喫しよう
- 波照間島星空観測タワーは現在、老朽化のため休館中である
- 再開に向けた建て替えや移転の計画が進められている
- 具体的な再開時期は未定だが、2025年中の再開は難しい見込み
- 最新情報は竹富町の公式サイトなどで確認する必要がある
- タワー休館中でも周辺や島内各所で満天の星は楽しめる
- 南十字星の観測シーズンは12月下旬から6月中旬頃
- 星空観測には「新月」の時期が最も適している
- 観測場所は集落から離れた暗い場所やタワー周辺がおすすめ
- 夜間の移動はレンタカーやバイクが便利だが運転には注意が必要
- 民間の星空ガイドツアーを利用すれば詳しい解説が聞ける
- 夏でも羽織るもの、冬は防寒着を用意して冷え対策を行う
- レジャーシートがあると寝転がって星を見られるので便利
- 懐中電灯やスマホの光は周囲への配慮として最小限にする
- 畑や私有地への立ち入りは厳禁である
- マナーを守って、日本一とも言われる星空を存分に楽しむ